アメリカ駐在ガイド

アメリカで働ける?在留資格別の就労ルールとSSNの順番

2026-08-21

アメリカで仕事を探そうとしたとき、最初に気になったのはSSNでした。

でも本当に先に確認すべきなのは、番号ではありません。今の在留資格で、どの仕事を、どの許可を得てから始められるかです。

F-1の学生とJ-1の学生ではルールが違う。家族として来た人も、F-2、J-2、H-4、L-2で答えが違う。同じ家に住んでいても、主たる在留資格の人と扶養家族では働ける範囲が同じとは限りません。

この記事は2026年8月時点のUSCIS、国務省BridgeUSA、DHS、SSAの案内をもとに、制度の「形」を整理したものです。個別の就労可否を判断する法律相談ではありません。仕事やインターンを始める前に、F-1は学校のDSO、J-1はプログラムスポンサーのResponsible Officer、その他はUSCISの最新案内と必要な専門家に確認してください。


1. 在留資格、就労許可、SSNは別のもの

最初に、混ざりやすい3つを分けます。

SSNカードは就労許可証ではありません。以前取得したSSNがあっても、現在の在留資格で働けるとは限りません。

反対に、就労資格がある人は、SSNカードが届く前でも、雇用手続きで指定された移民書類を使える場合があります。

順番は、「SSNを取れば働ける」ではなく、「働ける条件を満たしたうえでSSNを申請する」です。

無許可の就労は在留資格に影響し得ます。「無給なら仕事ではない」「学内なら何でもよい」と自己判断せず、開始前に自分の担当窓口へ確認してください。


2. F-1学生は、仕事の種類ごとに許可が違う

F-1には働ける道があります。ただし、F-1だから自由に働けるわけではありません。

On-campus employment(学内就労)

学期中は原則週20時間まで、学校の休暇中は条件を満たせばフルタイムが可能です。仕事内容と勤務先が「学内就労」に当たるか、学校独自の手続きが必要かをDSOへ確認します。

USCISへのForm I-765とEADは通常不要ですが、始める前に学校の承認手順を終える必要があります。SSN申請では、学校や雇用主の書類を求められます。

CPT(Curricular Practical Training)

CPTは、専攻のカリキュラムに組み込まれた実習です。専攻に関係する仕事なら何でもCPTになるわけではありません。

DSOがSEVISで承認し、勤務先と期間が記載されたForm I-20を発行します。I-20に記載された開始日より前に働くことはできません。 通常、USCISのEADは不要です。

OPT(Optional Practical Training)

OPTは専攻に直接関係する実務経験のための制度です。DSOの推薦に加え、USCISへForm I-765を申請し、EADが必要です。

申請を出した日や卒業日ではなく、EADを受け取り、カードに記載された有効期間に入ってから働き始めます。STEM OPTには別の要件があります。

経済的困難などを理由にした学外就労にも別制度がありますが、要件と申請が別です。F-1の仕事は、応募する前ではなく、できれば応募を考えた時点でDSOへ相談するのが安全です。

詳しい条件はUSCISのF-1 employment案内Practical Training案内DHS Study in the Statesで確認してください。


3. J-1は、カテゴリーとプログラムのルールを先に見る

J-1には複数のカテゴリーがあり、全員に同じ就労ルールがあるわけではありません。まずForm DS-2019のカテゴリーと、プログラムスポンサーを確認します。

大学・カレッジのStudentカテゴリーでは、一定条件のもとでのパートタイム就労や、専攻に関係する Academic Training という実務研修があります。ただし、学校だけでなく、プログラムスポンサーのResponsible Officerによる承認が軸になります。

「知人のJ-1は働いていた」「同じキャンパス内だから大丈夫」では判断できません。別カテゴリーのJ-1の体験談も、そのまま使えません。

仕事、インターン、研修、有給・無給にかかわらず、始める前にResponsible Officerへ確認してください。大学・カレッジのStudentカテゴリーはBridgeUSAの公式案内で全体像を確認できます。


4. 扶養家族は、F-2・J-2・H-4・L-2で違う

ここが、この記事でいちばん伝えたい違いです。

F-2:働けない

F-1の扶養家族であるF-2は、就労を認められていません。EADを申請して働く道もありません。

学ぶことにも制限があります。進学や働き方を変えたいときは、開始前に学校のDSOへ相談し、必要なら自分の在留資格の変更を検討します。最新情報はDHSの扶養家族向け案内で確認してください。

J-2:EADを申請できる

J-1の配偶者または一定年齢未満の子であるJ-2は、USCISへForm I-765を提出してEADを申請できます。

ただし、J-2で入国しただけではまだ働けません。 USCISが申請を承認し、有効なEADが届いてから働けます。必要書類と条件はUSCISのForm I-765最新案内とプログラムのResponsible Officerに確認してください。

H-4:一部の配偶者だけがEADを申請できる

H-4は、在留資格だけでは就労できません。さらに、すべてのH-4がEADを申請できるわけでもありません。

USCISの現行ルールでは、一定のH-4配偶者が対象です。たとえば、主たるH-1B配偶者が承認済みForm I-140の受益者である場合や、AC21の規定に基づくH-1B延長を受けている場合です。

対象ならForm I-765を申請し、承認済みの有効なEAD(カテゴリーC-26)が届いてから働けます。家族の移民手続きの状況で答えが変わるため、USCISのForm I-765案内と移民手続きの担当者に確認してください。

L-2:配偶者は在留資格に基づいて働ける

L-1の配偶者であるL-2は、employment authorized incident to status、つまり在留資格に基づいて就労を認められています。別のEADを先に取得する必要はありません。

最新のI-94でClass of Admissionが L-2S になっているか確認します。L-2の子どもを示す L-2Y は就労資格がなく、配偶者と同じ扱いではありません。

I-94はCBP公式サイトで取得できます。表記や期限が想定と違う場合は自己判断せず、CBP、USCIS、移民手続きの担当者へ確認してください。L-2の就労証明はUSCISの公式案内でも確認できます。


5. 就労資格を確認したら、SSNへ進む

SSAは原則として、DHSから就労を認められた非市民にSSNを発行します。ごく限られた公的な非就労目的の例外はありますが、「銀行やクレジットカードで聞かれたから」だけでは対象になりません。

在留資格と働き方によって、SSN申請で示す書類も変わります。

このほか、年齢、本人確認、移民資格を示す原本が必要です。申請は無料です。必要書類と来所方法はSSAの初回SSN申請ページで、申請する日に確認してください。

SSNを取得できない人でも、連邦税務上の番号が必要ならITINの対象になることがあります。ただしITINは税務専用で、就労許可にはなりません。IRSのForm W-7案内で対象と申請方法を確認してください。

運転免許や州IDでSSNを求められた場合は、SSNを取得できない人向けの代替書類が州ごとに違います。必ず自分の州のDMV公式サイトで確認してください。


6. 仕事を始める前の確認順

肩書きや求人票を見る前に、次の順で確認します。

  1. パスポート、最新のI-94、Form I-20またはDS-2019、EADなど、自分の最新書類を集める
  2. 自分の在留資格と、主たる人・扶養家族のどちらかを確認する
  3. 予定する活動が就労、実習、研修、ボランティアのどれに当たるか確認する
  4. F-1はDSO、J-1はResponsible Officer、H・LなどはUSCISの案内と担当者に開始前に確認する
  5. 必要な承認やEADの有効開始日を待つ
  6. 就労資格に合う書類でSSNを申請する

「報酬が少ないから」「短期間だから」「知り合いを手伝うだけだから」で例外にはなりません。迷ったときは、働き始めてから説明するのではなく、始める前に確認してください。


おわりに

アメリカで働けるかは、学生か家族かという大きなくくりだけでは決まりません。

F-1なら学内就労、CPT、OPTで手続きが違う。J-1ならカテゴリーとスポンサーの承認を見る。F-2は働けない。J-2はEADを申請できる。H-4は一定条件の配偶者だけがEADを申請できる。L-2配偶者は在留資格に基づいて働ける。

そして、SSNはその後です。

制度は変わり、個別の書類や履歴でも答えが変わります。実際に動く日は、USCIS、DHS、国務省、SSAの最新情報と、自分の学校・スポンサー・移民手続き担当者に確認してください。

就労資格ビザSSN

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