着いた週にやることチェックリスト:学生・就労・扶養家族、それぞれの順番
着いた翌日から、やることが一度に押し寄せます。銀行、携帯、SSN、運転免許、保険。どれも今すぐ必要に見えます。
ただ、最初の1週間で本当にやるべきことは、それほど多くありません。多いのは「順番を間違えると出直しになるもの」のほうです。そこだけ押さえておけば、残りは後から追いつきます。
私は最初の渡米で、SSNの窓口へ2回行きました。1回目は着いてすぐ、まだ入国の記録が政府側に届いていない時期に行ったからです。待って、番号を呼ばれて、「もう少し経ってからまた来て」と言われて終わりました。
このページは、着いた週にやることを順番で並べたものです。学生・仕事で来た人・扶養家族で分かれるところは、分けて書きます。
1. まず、順番があります
最初の1週間の手続きは、ほとんどが一列につながっています。
到着の連絡 → I-94(入国の記録)→ 住所 → 携帯・銀行 → SSN → クレジット履歴・運転免許
前が決まらないと後ろに進めない、という関係です。
- SSNの申請は、入国の記録が政府側のシステムに反映されてから。着いた翌日に行っても、記録が届いていません。
- 銀行と携帯は、どちらも住所を聞きます。仮住まいの住所でかまいませんが、聞かれます。
- クレジット履歴は、SSNができて、その名義で何かを使い始めてから積み上がります。
- 運転免許は、多くの州でSSN(または後述するSSAの不交付レター)を求めます。
そして、この列の一番前に、手続きらしくないものがひとつあります。学校・プログラム・勤務先への到着の連絡です。これが済んでいないと、後ろの手続きが揃わないことがあります。
2. 全員が最初の数日でやること
在留資格を問わず、着いた週にやっておくと後が楽になるものです。
I-94を取り出す
入国審査を通ると、あなたの在留資格と滞在期限を記録したI-94(Arrival/Departure Record)が作られています。空路・海路の入国では電子化されていて、紙は渡されません。
i94.cbp.dhs.gov で取り出せます。無料です。手数料を取る代行サイトに注意してください。
見るのは3つです。
- 名前の綴り — 姓と名が入れ替わっていないか
- Class of Admission — 実際に許可された在留資格(F-1、J-1、H-1B、L-2など)
- Admit Until Date — 滞在期限。日付か
D/Sが入ります
ここが間違っていると、SSNも免許も銀行も、後の手続きが全部そこで止まります。取り出し方と訂正の窓口はCBPの公式案内にあります。
書類を1か所にまとめる
これから何度も同じ書類を出します。最初にまとめておくと、そのたびに探さずに済みます。
- パスポートとビザのページ
- I-20 / DS-2019 / I-797 など、在留資格を示す書類
- I-94の印刷またはPDF
- 予防接種の記録
- 日本の運転免許証(州によっては当面これで運転できます)
- 出生証明書・戸籍などの英訳(子どもの学校の登録で求められることがあります)
紙とデータの両方で持っておいてください。窓口で紙を求められる場面はまだ残っています。
住所が決まったら、10日以内に届け出る
30日以上滞在する非移民には、住所を届け出る義務があります。引っ越したときは10日以内に届け出ます(USCIS Form AR-11)。
届け先はひとつではありません。
- USCIS — AR-11をオンラインで提出
- 学校・プログラム — 学生はDSOまたはResponsible Officerへ。SEVISの記録を更新してもらいます
- 勤務先 — HRの人事記録と、給与・税の書類の宛先
最初の住所がホテルや短期の部屋でもかまいません。そのときの住所で始めて、変わるたびに更新するのが正しい形です。届け出ないまま放置するほうが問題になります。
携帯の番号を持つ
以降のほぼ全ての手続きで電話番号を聞かれます。銀行も、学校も、病院も、DMVもです。
SSNがなくても、プリペイド(前払い)のプランなら契約できることが多いです。後から通常のプランへ乗り換えられます。着いた週は、番号を持つことだけを目的にしてかまいません。
銀行口座を開く
SSNがなくても開ける銀行は多くあります。窓口が見るのは就労資格ではなく本人確認だからです。
持っていくもの(銀行と支店によって違います):
- パスポート
- 在留資格を示す書類(I-20 / DS-2019 / I-797)
- I-94
- 住所が分かるもの(賃貸契約、学校からの書類など)
支店ごとに求める書類が変わることがあるので、行く前に電話で確認するのが結局いちばん早いです。
3. 学生として来た人(F-1・J-1)
着いたら、まず学校のInternational Officeへ行ってください。ここが後の全部の起点になります。
F-1 — DSO(Designated School Official)に到着を伝えます。DSOがSEVISの記録を「registration」して、在籍が有効な状態になります。この登録が済んでいないと、SSNの申請は通りません。
J-1 — Responsible Officer(RO)に到着を伝えます。プログラムによっては、到着後すぐに手続き(validation)が必要です。
そのうえで、SSNについてはひとつ知っておくことがあります。
F-1は、在籍しているだけではSSNを申請できません。 SSNは働く人のための番号なので、学内の仕事のオファーや、CPT・OPTの許可といった「働く根拠」が要ります。何が根拠になるかはDSOが案内します。
DHSの案内では、SEVISの記録がActiveになっていること、そして入国から10日以上あけてから申請することが示されています(Study in the States: Obtaining a Social Security Number)。私が2回行ったのは、ここを知らなかったからです。
J-1のSSNも、ROが出す就労許可の書類が前提になります。プログラムのカテゴリーによって扱いが違うので、BridgeUSAの案内とROの両方を見てください。
4. 仕事で来た人(H-1B・L-1など)
窓口は勤務先のHRです。着いた週に確認したいことが3つあります。
I-9
就労を始めるときに、雇用主と一緒に記入する書類です。従業員側の記入は勤務初日まで、雇用主が書類を確認するのは3営業日以内とされています(USCIS I-9 Central)。
SSNがまだ届いていない状態で始められるかどうかは、勤務先の運用と状況によります。自分で判断せず、HRに聞いてください。
健康保険の加入期限
ここが、着いた週に一番見落とされます。
勤務先の健康保険は、入社から30日程度の加入期限を置く制度が多いです。この期限を逃すと、次のopen enrollment(通常11月〜1月)か、結婚・出産などのqualifying life eventまで加入できません。
給付の中身は後から読めばいいので、着いた週は期限だけHRに確認してください。
SSN
入国から10日以上あけてから、SSAのオフィスへ行きます。持ち物と手順は次の6にまとめます。
5. 扶養家族として来た人(F-2・J-2・H-4・L-2)
働けるかどうかは、扶養家族の資格ごとに違います。 ここが決まらないと、SSNを申請できるかも決まりません。最初に確かめてください。
| 資格 | 就労 | SSN | 確認先 |
|---|---|---|---|
| F-2 | できません | 原則として出ません | DSO |
| J-2 | Form I-765でEAD(就労許可)を申請できます | EADが出てから | Responsible Officer |
| H-4 | 条件を満たす場合にI-765でEADを申請できます。全員ではありません | EADが出てから | 勤務先・移民法の専門家 |
| L-2 | 在留資格に付随して就労できる扱いです(EADは任意) | 申請できます | 勤務先・移民法の専門家 |
L-2については、I-94のClass of Admissionが L-2S になっているかを確認してください。この記載自体が就労資格の証明として扱われます(USCIS Policy Manual)。
働けない場合、あるいはまだ許可が出ていない場合でも、銀行口座は開けることが多いです。銀行が見ているのは本人確認で、就労資格ではありません。ここを一緒にして「自分は何もできない」と思い込まなくて大丈夫です。
子どもの学校
学区への登録は、住んでいる住所で決まります。だいたい次のものを求められます。
- 住所を証明するもの(賃貸契約、公共料金の請求書など)
- 予防接種の記録(アメリカの様式への読み替えが要ることがあります)
- 出生証明書などの生年月日が分かる書類
- 前の学校の成績・在籍の記録
必要書類も、学年の入り方も学区ごとに違います。住む場所が決まったら、その学区のenrollmentのページを最初に見てください。
6. SSNの窓口へ行く前に
出直しを減らすための確認です。
行く時期
- 入国から10日以上あける
- 学生は、DSO/ROの登録が済んでいること
- 働く根拠になる書類(オファーレター、許可の書類)が揃っていること
持ち物
- パスポート
- I-94の印刷
- 在留資格を示す書類(I-20 / DS-2019 / I-797)
- 就労許可の書類(EAD、学校や勤務先のレターなど、該当するもの)
窓口
予約が必要なオフィスが増えています。行く前にSSAのオフィス検索で、その場所の受付方法を確認してください。申請の全体像はSSAの案内にあります。
その後
カードが届くまでは数週間かかります。番号が出るまで待つ手続き(クレジットカードなど)は、この間は動かせません。
DMVでSSNを求められて、まだ無いとき
州によっては、SSAが発行する不交付のレター(SSNを出せない立場であることを示す書類)を代わりに求められます。SSNを申請できない扶養家族などが対象です。DMVで何を求められるかは州ごとに違うので、州のDMVのページで先に確認してください。
7. 着いた週にやらなくていいこと
急がなくていいものを分けておくと、最初の週が軽くなります。
- クレジットカードの申し込み — SSNができてからです
- 運転免許 — 多くの州でSSN待ちになります。日本の運転免許証と国際運転免許証で当面運転できる州もあるので、州のDMVで確認してください
- 長期の携帯契約 — プリペイドで始めて、後から乗り換えられます
- 家具や車の大きい買い物 — 住む場所と通勤・通学の形が固まってからのほうが失敗しません
おわりに
順番だけ、もう一度並べます。
到着の連絡(学校・プログラム・勤務先)→ I-94を取り出す → 書類をまとめる → 住所を届け出る → 携帯 → 銀行 → SSN → クレジットと運転免許
最初の週にやるのは、ここまでです。全部を1週間で終わらせる必要はありません。
在留資格の扱いは、制度の変更や個別の事情で変わります。実際に手続きへ進む日は、CBP、USCIS、SSAの最新情報と、学校のDSO、プログラムのResponsible Officer、勤務先の担当者に確認してください。